贈与税って、なんだか難しそうで後回しにしていませんか?
「子どもや孫にお金を渡したいけど、税金がかかるのが心配…」そんな悩みを抱える方は少なくありません。
この記事では、贈与税の基礎知識から非課税の条件、相続との関係、贈与時に気をつけるべきポイントまでをわかりやすく解説します。
難しい法律の話も、身近な例や具体的な手続きに落とし込んで紹介しているので、初めての方でも安心です。
読めば、「いつ・誰に・どのように贈与すればよいのか」が見えてきますよ。
目次
贈与税とは?非課税になるケースもある?
贈与税とは、個人から財産を受け取った際にかかる税金です。
ただし、すべての贈与に課税されるわけではありません。
たとえば、学費や生活費などを必要なタイミングで贈与する場合には、「扶養義務者間の贈与」として贈与税の課税対象から除かれます。
また、一人あるいは複数人からの贈与につき、その人が、その年の1月から12月までの間にもらった贈与額の合計が110万円以下の場合、贈与税の申告は必要ありません。
これは「暦年課税」の制度による非課税枠で、多くの方に活用されています。
さらに、相続税が高くなると予想される場合には、110万円を超える額をあえて贈与することで、相続税よりも軽い贈与税で済む場合もあります。
これは将来の相続税対策として、有効な手段の一つです。
贈与と相続税の関係に注意!加算のルールとは
相続があった場合、亡くなる直前にされた贈与が、相続人に対するものの場合、相続財産に加算され、相続税の課税対象となります。
これまで、亡くなる「3年以内に行った贈与」は相続財産に加算されてきましたが、令和6年以降、「7年以内の贈与も加算」のルールに変わりつつあります。
ただし、現在は「過渡期」にあたり、急に7年間さかのぼるわけではありません。
令和6年以降の贈与が、将来的に加算対象となる流れです。
贈与の時期 | 加算の対象 |
---|---|
相続開始3年以内 | 加算対象 |
令和6年以降の贈与 | 将来的に7年間加算へ移行 |
相続人以外(例:孫など)への贈与 | 原則、加算対象外 |
また、110万円以下の贈与であっても、相続人に対する贈与であれば加算対象になる点に注意が必要です。
トラブルを防ぐ!正しい贈与の手続きとは
贈与税の課税を避けたり、後の相続時にトラブルにならないためには、形式的にも贈与を証明できる状態を整えることが大切です。
「あげます・もらいます」の意思表示が大切
贈与とは「あげたい」「もらいたい」という双方の意思表示が合意していることが前提です。
単なる一方的な振込では、贈与とみなされないケースもあります。
証拠として贈与契約書の作成を
贈与を証明する手段として、贈与契約書の作成をおすすめします。
これは税務署に対しても有効な証拠となります。
贈与契約書には、次の内容を明記しましょう。
書式が必要な場合は、当事務所にご相談ください。
お金の移動と使い道も重要
贈与の信ぴょう性を高めるためには、お金の動きが明確であることも重要です。
たとえば、贈与者の通帳から受贈者の通帳へ振込を行い、記帳が残るようにしておきましょう。
さらに、受け取った人が実際に使うことも、贈与の証明になります。
全額でなくても構いませんが、何らかの用途に使われていれば、税務署からも贈与と認識されやすくなります。
「あげたことにする」とか、相手が未成年でもないのに「あげた人が預かっておく」などと無いようにしてください。
贈与税を活用するには準備と知識が大切
贈与税は、ただお金を渡すだけではなく、贈与の時期や相手、形式の整備が非常に重要です。
相続税対策として贈与を活用する際も、正しく行わなければ逆効果になる可能性があります。
「贈与を始めたい」「相続の備えを考えたい」と感じたら、まずは税理士に相談して、ご自身のケースに最適な方法を見つけていきましょう。