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年末調整【令和7年】変更点は3つ!基礎控除・配偶者控除・特定親族控除の改正ポイント

年末調整【令和7年】変更点は3つ!基礎控除・配偶者控除・特定親族控除の改正ポイント

2025年9月11日

令和7年の年末調整では「基礎控除」「配偶者控除」「特定親族控除」の3つが変更点として加わりました。
従来と同じ流れで処理してしまうと控除額を誤ってしまう恐れがあるため、改正内容を把握しておくことが必要です。

この改正は「年収の壁」への対策や、多様な働き方を支える狙いから実施されました。
働き方の幅が広がる一方で、制度の仕組みはより複雑になっています。

令和7年の年末調整は「対象者に有利になる部分」と「手続きが難しくなる部分」が混在しているといえるのです。

年末調整の申告書は4種類が1つに統合、手続きは複雑に

今回の改正により、以下の4種類の申告書がひとつにまとめられました。

  1. 給与所得者の基礎控除申告書:所得に応じた基礎控除を申告する書類
  2. 給与所得者の配偶者控除等申告書:配偶者の所得状況をもとに控除を計算する書類
  3. 給与所得者の特定親族特別控除申告書(新設):大学生世代の子どもの扶養控除を扱う新設の書類
  4. 所得金額調整控除申告書:所得要件に応じて控除を調整する書類

昨年までなら「基礎控除」と「配偶者控除」を別々の用紙に記載していた人も、今年は1枚の中で双方を記入しなければなりません。
所得税の基礎控除や給与所得控除が増加するなどしており、これ自体は良いことなのですが、作業としては、より大変になっております。

なお、国税庁のサイトでは、日本語以外に英語・中国語・ポルトガル語・スペイン語・ベトナム語・フィリピノ語でも案内が用意されています。
外国人労働者が多い職場では、翻訳版を活用するとスムーズでしょう。

基礎控除は所得に応じて控除額が段階的に変動

基礎控除申告書では、令和7年から控除額が大きく見直され、所得水準に応じて段階的に変動する仕組みになりました。
改正前は一律48万円だった基礎控除が、所得に応じて増減する仕組みに変わり、自分の年収帯を正確に把握しなければ計算を誤る可能性があります。

  • 所得132万円以下 → 基礎控除95万円まで引き上げ
  • 所得132万円超 → 基礎控除58万円

令和7・8年は655万円以下で特例控除額が適用

令和7年と8年の2年間に限り、所得655万円以下の人には段階的な特例控除が設けられます。
この特例は、急激に控除額が減らないように調整するための経過措置です。

所得額控除額
655万円以下88万円/68万円/63万円(所得に応じ段階的に適用)

経過措置は令和8年で終了する予定のため、将来的には控除額が再度見直される可能性もあります。
制度が「一時的なサポート」であることを理解しておくことが大切です。

高額所得者は控除額が縮小、2500万円超は0円

所得額控除額
2350万超~2500万円以下48万円/32万円/16万円
2500万円超基礎控除額は0円

年収帯によって税負担の差がより鮮明になったといえるでしょう。

配偶者控除は判定基準と説明表記が細かく修正

配偶者控除については控除額そのものは変わっていませんが、以下の点が変更されました。

  • 判定基準が「所得48万円以下」から「58万円以下」に修正
  • 給与所得控除の改正により、給与収入190万円以下の方は控除額の扱いが変動

配偶者控除等申告書は、見た目上は昨年の書類とほとんど変わっていません。
しかし、説明文が省かれたことで、何を基準に計算すべきか分かりにくくなっています。
昨年同様に処理してしまうと「基準額の変更」や「給与収入190万円以下の扱い」を見落とすリスクが高まります。
書類の見た目に惑わされず、改正内容を理解した上で正しく記入することが必要です。

大学生の子どもがいる世帯は「特定親族特別控除」が新設

令和7年から新たに設けられた「特定親族特別控除」は、大学生世代の子どもを扶養している家庭に大きなメリットがあります。
これまで103万円を超えると対象外だった扶養控除が拡大され、123万円までなら控除を受けられるようになりました。

  • 子の年収123万円以下 → 63万円の特定扶養控除
  • 年収123万円超~188万円以下 → 子の収入に応じて控除額が段階的に減少

この新制度は、まさに「年収の壁」を和らげるための施策です。学生のアルバイト収入が一定額を超えると家庭の税負担が急増する問題に対応しました。
教育費負担が大きい家庭にとっては追い風となります。

所得金額調整控除は要件や控除額に変更なし

所得金額調整控除申告書については、文言の修正があったものの控除額や要件は変わっていません。
前年と同じ感覚で対応して問題ありません。

令和7年の年末調整変更点は「基礎控除・配偶者控除・特定親族控除」

令和7年の年末調整は、基礎控除の特例や新設控除の導入により、昨年までと比べて記入の難易度が上がっています。特に「所得金額」と「控除額」の判定基準が変わるケースが多いため、国税庁の資料を確認しながら慎重に進めることが求められます。

年末調整は毎年の業務ですが、今年は「変更点を正しく理解すること」がポイントです。

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