配当金課税に関するルールや注意点について解説します。
上場株式や非上場株式の違い、課税方法の選択肢とその影響についても整理して紹介します。ぜひ最後までご覧ください。
目次
配当金課税とは
配当金課税とは、株式などの投資から得られる配当金に対して課される税金のことです。
配当金は、「上場株式等」か「非上場株式等」のいずれかに分類され、課税方法や申告の仕方が異なります。
配当金の主な分類
1.上場株式等の配当金
- 一般口座
- 特定口座(源泉徴収あり/なし)
- NISA口座
2.非上場株式等や信用金庫の配当金
なお、特定口座には源泉徴収の選択「有・無」がありますが、配当金に関してはいずれも源泉徴収され、その違いはないようです。
NISA口座の配当金課税の特徴
NISA(少額投資非課税制度)口座を利用すると、配当金や譲渡益が非課税になります。
NISA口座を活用する最大のメリットは、配当金に対して源泉徴収が行われず、確定申告が不要な点です。
ただし、NISA口座で非課税の配当金を受け取るためには、事前に「株式数比例配分方式」を選択しておく必要があります。
この手続きが完了していない場合、NISA口座内でも非課税扱いにはならないため注意しましょう。
配当金課税の税率
NISA口座以外で配当金を受け取る場合は、所得税と住民税が源泉徴収されます。
それぞれの税率は以下の通りです。
・上場株式の配当金:15.315%(所得税)および 住民税5%
・非上場株式や信用金庫の配当金:20.42%(源泉所得税のみ)
一般株式等の配当金課税
総合課税が原則
一般株式等(非上場株式や信用金庫など)の配当金は、原則として総合課税が適用されます。
申告分離課税は選択不可
上場株式等と違い、一般株式等では申告分離課税を選ぶことはできません。
申告不要の条件
一般株式等の配当金については、配当金額が少額の場合に限り「申告不要」を選択できます。
少額配当金の基準は以下の通りです。
・年1回の配当金が10万円以下の場合
・中間配当と確定配当の合計が5万円以下の場合
信用金庫などからの配当金は、少額となるケースが多いため、申告不要を選択できる可能性があります。
ただし、注意点として、住民税については配当金が少額であっても申告の対象となります。
上場株式等の配当金課税
上場株式等の配当金の場合、次の3つの課税方法から選択が可能です。
- 総合課税
- 申告分離課税
- 申告不要
課税方法を選択する際の注意点
配当金の課税方法には、それぞれメリットとデメリットがあります。
選択時には以下のポイントを考慮してください。
1.総合課税
・メリット:配当控除を利用でき、一定の税負担軽減が可能。
・デメリット:累進課税が適用され、所得が多いほど税率が高くなる。また、扶養控除などの判定基準となる「合計所得金額」に含まれます。
2.申告分離課税
・メリット:株式の譲渡損失と損益通算が可能。
・デメリット:総合課税と同様に、扶養控除の判定基準である「合計所得金額」に含まれます。
3.申告不要
・メリット:確定申告をしなくてもよい。また、合計所得金額に影響しないため、扶養控除などの条件を維持しやすい。
・デメリット:株式譲渡損失と損益通算ができない。
課税方法の選択で押さえておきたいポイント
・配当控除を利用したい場合:総合課税
・株式譲渡損と通算して税負担を軽減したい場合:申告分離課税
・扶養控除を維持したい場合や申告を簡略化したい場合:申告不要が便利
今回のまとめ
配当金課税の仕組みを正しく理解し、自分に合った課税方法を選ぶことが大切です。
特に、NISA口座の非課税メリットを最大限に活用することや、上場株式と非上場株式の違いを把握しておくことで、余計な税負担を防ぐことができます。