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相続税を減らす2つの特例 配偶者の税額軽減・小規模宅地等の減額の解説

相続税を減らす2つの特例 配偶者の税額軽減・小規模宅地等の減額の解説

2022年5月21日

配偶者の税額軽減と小規模宅地等の減額という2つの特例は、適用ができると相続税を減らす効果が大きいものとなります。
今回は、相続税を減らす2つの特例について解説します。

配偶者の税額軽減

「相続人である子」の立場からすると、⽗の相続(1次相続)の時に、⺟が取得する財産について軽減の適用が受けられるのですが、その後の⺟の相続(2次相続)では、相続⼈は⼦だけになるので適用はありません。

納税額に大きく影響が出る特例ですので、うまく使いたいところです。

小規模宅地等の減額の特例

同様に適用を狙いたいのが、この「小規模宅地等の減額の特例」と言われるものです。

(例)⽗が住んでいた⾃宅の敷地を相続で⺟が取得する場合。

その敷地について、この特例により330㎡(100坪)までの評価額が8割引きとなるのです。

仮に自宅の敷地が200㎡(約60坪)で、その路線価が10万円(坪33万円)だった場合、土地の評価額は2000万円ですが、その8割の1600万円がこの特例により評価減となります。
相続税の最低税率10%の適用の場合でも、相続税額にして160万円の減少!
財産が多くあって、適用される相続税率がもっと高い方、自宅敷地面積が広く330㎡フルに受けられる方、路線価がもっと高い地域に自宅敷地を有する方なら、その影響は推して知るべしです。

ところが、この特例は配偶者であれば適用を受けやすいのですが、配偶者は上記に述べた「配偶者の税額軽減」の適用により税金がかからないケースが多く、あまりこの特例の効果を得られません。

自宅敷地を相続するのは配偶者でなく、子でもよいのですが、子の場合には適用を受けられる要件を満たしていないことが多いのです。
親と同居していない、さらに子は既に持ち家を持っているというケースが多く、この特例の適用を難しくしているのです。

自分の場合が、まさにこのケースでした。
私も(妹も)持ち家を持っており、親と同居する親族はいないため、将来「介護のための一時的な同居」をする程度では、この特例の適用は受けられないでしょう。
もっとも、自分の場合、親の自宅の敷地の評価はとても安いものですし、仮に相続税がかかるとしても、適⽤されるのは最低税率の10%でしょう。
さらに親が⻑⽣きしてお⾦を使ってしまえば、財産の額が基礎控除額以下となり、そもそも相続税は申告不要となるでしょう。

ただ、都会の地価の高いところに親の自宅があって、そこで小規模宅地の減額の特例を受けたい場合には、適用を受けるためにも同居することなども検討すべきかもしれません。

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