非上場株式の評価
「財産の価額は、時価によるものとし、時価とは、相続により財産を取得した日において、(中略)不特定多数の当事者間で自由な取引が行われる場合に通常成立すると認められる価額」となります。
では、相続時に保有する未だ売買の成立していない、それどころか売りに出す気すらない土地や中小企業株式の時価はどのように求めるのでしょうか?
「その価額は、この(財産評価基本)通達の定めによって評価した価額による。」とあります。
多くの場合、この通達に従って求めることになります。
純資産価額
「非上場株式」、いわゆる中小企業の株式は、市場がないため、自由な取引が行われているといい難く、“通達”に基づいて評価することになりますが、土地以上に大変と言えます。と言うのも会社が土地を保有していたら、株式の評価のためには、その土地の評価もしなければならないからです。
中小企業株式の評価のスタートは決算書となりますが、決算書に記載されている財産や債務の金額はあくまでも簿価、すなわち取得時の金額ですから、時価、すなわち現在の価額に引き直す必要があります。
そこで、土地の価額やそれ以外の財産、債務で含み益あるいは含み損のあるものについて時価評価を一通り行うことになります。
この方法による株価を“純資産価額方式”と言います。
類似業種批准価額
中小企業株式の評価は、“純資産価額”を原則として、一定の場合には株価評価を引き下げるべく、“類似業種比準価額方式”と言う指標を織り交ぜて評価します。
類似業種比準価額とは、自社の事業と類似する事業を行っている上場会社の株価と配当額及び利益額並びに純資産額の数値を、評価する中小企業の数値と比較する形で株価を求めます。
通常は純資産価額よりも、この類似業種比準価額の方が低いことが多いため、株価の高い中小企業においては、難しい場合もありますが、この“類似業種比準価額”をより多く株価計算に織り交ぜられるように、株価低減対策を取ったりします。