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令和6年1月1日からの電子帳簿保存と猶予期間はどうなる?

令和6年1月1日からの電子帳簿保存と猶予期間はどうなる?

2023年12月20日

電子帳簿の保存形式

電子帳簿保存法では、電子保存の形式は「電子帳簿等保存」「スキャナ保存」「電子取引」の3つに区分されます。

この内、「電子帳簿等保存」「スキャナ保存」は任意の対応となります。
・会計ソフトで作成した帳簿・書類をプリントアウトせずに、データのまま保存できる(電子帳簿等保存)
・紙の領収書・請求書に代えてスキャンした電子データで保存できる(スキャナ保存)

これとは別に、電子取引は義務項目となります。

「電子データでやり取りした領収書・請求書は、電子データで保存しなければならない」というものです。
電子データの保存義務ですが、「書面保存でもよい」という宥恕(ヨウジョ)措置がありましたが、令和5年12月31日をもって廃止となりました。

令和6年1月1日以後の電子帳簿保存は?

今後、電子取引については、電子保存が必要となります。
原則として、電子データは次の3つ措置を施した電子保存が必要となります。

①改ざん防止の事務処理規程の備付け
②モニターやプリンタの備付け
③検索要件の充足

①については、事務処理規程は国税庁が提供する書式を利用すれば良く、②のモニター等は通常あるものと思われます。
ですから、③の検索要件を満たした形で電子データを保存できるかがポイントとなるでしょう。

検索要件には以下の機能が求められます。

  • 「日付・金額・取引先」で検索できる
  • 「日付・金額」の範囲指定検索ができる
  • 「2項目以上の組合せ検索」ができる

しかし、検索要件を満たせない場合でも例外はあります。
次のいずれかに該当し、その元となる電子データを税務職員に対し提示できる場合です。

イ:2年前の売上が5000万円以下の事業者
ロ:電子取引のプリントアウト書面が整理され提示・提出ができる

また、検索要件のうち検索こそはできるものの、範囲検索・組合せ検索まではできない場合であっても、元となる電子データを税務職員に提示できる場合は、認められることになります。

電子帳簿の猶予期間はどうなる?

上記の対応ができない事業者については、令和6年1月1日から猶予(ユウヨ)措置が設けられます。
これは、⼈⼿不⾜や資⾦不⾜等の「税務署⻑が認める相当の理由」があること、「調査の際に、電子データにアクセスでき、かつプリントアウトできる」のであれば良いというものです。

これまでと異なり「電子データの保存」だけは必要となりますので注意が必要です。