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補助金を利用した時の税金と圧縮記帳の仕組みを解説

補助金を利用した時の税金と圧縮記帳の仕組みを解説

補助金・助成金に税金はかかるの?

以前から、業界によっては設備投資を助ける補助金が見られましたが、コロナ感染症の蔓延により、業界を問わず、売り上げ減少などを要件に、様々な補助金・給付金・支援金が交付されました。
そして、事業再構築補助金のような、新たな取組みに対する設備投資への高額ともいえる補助金を取得する事業者も増えたかと思います。
こういった補助金収入は収益計上されます。すなわち課税の対象となります。
そうすると、補助金額の3割程度を税金として納めるということになります。

補助金を受けた場合の税金はどうなる?

例えば、①1億円の固定資産の取得につき、②6000万円の補助金を受けられたとすると、出費は正味では4000万円で済んだということになります。

ところが、そのままだと6000万円が収益として計上されますので、仮に税率が3割だとして、③1800万円の納税となります。
6000万円の補助金をもらっても、1800万円は税金として支出することになってしまいます。

① 固定資産1億円/ 現金預金1億円
固定資産を1億円で購入の仕訳
② 現金預金6000万円/ 補助金収入6000万円
補助金入金の仕訳
③ 法人税等1800万円/ 現金預金1800万円
決算で補助金に対する納税の仕訳

補助金が全く無いよりは良いはずですが、補助金の効果を減殺していますよね。
そこで活用するのが圧縮記帳という制度す。

圧縮記帳とは?

圧縮記帳とは、法人が固定資産の取得に充てるために、国や地方公共団体等から補助金等の交付を受けた場合、その事業年度において、④その国庫補助金等の額を損金経理により、その固定資産の帳簿価額を減額することによって、課税所得を少なくすることができます。

④ 固定資産圧縮損6000万円/ 固定資産6000万円
補助金収入を相殺する仕訳

この処理により、収入6000万円と圧縮損6000万円が相殺されて、③の法人税等が発生しないことになります。めでたし、めでたし。

ところで、この圧縮記帳の処理により、固定資産の帳簿価額が1億円−6000万円=4000万円となっており、この固定資産の減価償却は4000万円をもとに行われます。
1億円の固定資産を購入しながらも耐用年数経過後の累計の減価償却費は4000万円となります。

圧縮をしない場合、6000万円が収益計上されますが、この固定資産は累計額1億円まで減価償却が行われます。
正味の費用は4000万円と圧縮記帳を行った場合と、トータルでは一緒になります。