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赤字のアパートでも税金がかかる!経営・売却・相続を見極める判断基準

赤字のアパートでも税金がかかる!経営・売却・相続を見極める判断基準

「アパート経営が赤字なのに税金がかかる」とおっしゃる方がいらっしゃいます。

  • 空室率が高く家賃収入が少ない
  • 借入金の返済額が多く手元にお金が残らない
  • 少ないながらも不動産所得があるため所得税・住⺠税がかかる

このような方は、アパート経営を継続するか、売却すべきか悩むでしょう。
また、相続についても判断が難しいと思います。

本当にアパート経営は赤字なのか、今回はその見極め方と経営・売却・相続において考えるべきポイントをお伝えします。

本当の手残り額の簡易計算方法

アパート経営は本当に赤字か?
次の計算式で「手残り額」を確認しましょう。

不動産所得の⾦額に専従者や⻘⾊申告の控除の額を戻し、減価償却費を加えます。
ここから借⼊⾦の年間返済額と所得税・住⺠税を控除します。

手戻り額 簡易計算方法

【不動産所得額+専従者控除額+青色申告控除額+減価償却費】-【借入金返済額+所得税・住民税】

いかがでしょうか?
黒字だったでしょうか?赤字だったでしょうか?

黒字だったとしても、アパートは定期的な大規模修繕が必要なため油断は禁物です。

空室率が3割を超えるとアパート経営は苦しい

不動産経営を行う以上、空室率は少ない方が良いのは明らかです。
借入金の返済額次第ですが、空室率が3割を超えるとアパート経営が苦しくなってくるように思います。

賃貸経営の空室率は2割程度が目安とも言われていますが、エリアや物件構造により空室率は異なります。
所有する物件や競合との状況を比較した判断が必要になります。

是非上記の簡易計算をし、経営の健全性を確認してください。

アパート売却時に空室が与える影響

経営が厳しいと感じた場合、売却の検討もあるでしょう。
その際、空室の状況が売却価格に与える影響を理解しておきましょう。

空室状況 売却時のメリット・デメリット

空室状況売却時のメリット・デメリット
空室が少ない賃貸経営を継続したい買い手にとって収益性が高く、売却価格が上がりやすい
空室が多い建て替え目的の買い手には喜ばれるが、収益性を重視する買い手には評価が下がる

いくらなら売って良いか?

借入金が残っている場合は、その売却代金で借入金を全額返せるのか否かの確認が必要です。
特に先祖代々の土地の上にアパートを建てた場合、土地に含み益(取得時より価値が上がった部分)があったことにより、売却に際し譲渡所得税及び住⺠税がかかることがあるので注意が必要です。

売却価格だけでなく、税金や借入金の返済を考慮して慎重に判断することが大切です。

アパートを相続する場合、空室が多い方が良いか? 少ない方が良いか?

空室は少ない方が良いです。
相続において貸家の評価は借家権を控除するとして、自用の場合より30%低く評価します。

相続前後は入居があったが、たまたま相続時点で空室だったとしても、原則として30%の控除はできない、ということになります。
アパートの場合、複数の部屋があるため、相続時に空室も入居中もあるでしょう。

この場合、空室部分には30%の控除はなく、入居中の部分のみが30%の控除となります。

今回のまとめ

アパート経営の手残り額の計算方法 ​

  • 不動産所得に専従者控除や青色申告控除を戻し、減価償却費を加算。 ​
  • そこから借入金の年間返済額と所得税・住民税を控除して計算する。 ​

空室率について

  • アパート経営では空室率が少ない方が家賃収入が増えるため良い。 ​
  • 空室率が3割を超えると経営が厳しくなる可能性がある。 ​

アパート売却時の空室率 ​

  • 売却時は通常、空室が少ない方が買い手にとって収益性が高く、売却価格も上がる。 ​
  • 売却代金で借入金を返済できるか確認が必要。 ​
  • 土地に含み益がある場合、譲渡所得税や住民税が発生する可能性がある。 ​

アパート相続時の空室率 ​

  • 相続時も空室が少ない方が良い。 ​
  • 貸家の評価は借家権控除により自用の場合より30%低くなるが、空室部分には控除が適用されない。 ​
  • 入居中の部分のみが30%の控除対象となる。

今回の内容を踏まえて、あなたのアパート経営を「本当に赤字か」を改めて見極めてみてください。
今後の経営・売却・相続を判断するための重要なポイントになるはずです。