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インボイス制度での消費税2割特例の適用と課税判断の過程

インボイス制度での消費税2割特例の適用と課税判断の過程

インボイス制度導入後、はじめての個人確定申告を終えました。

インボイス登録により申告することとなった方は、今回は対象期間が10月から12月までの3か月間、かつ、「2割特例」の適用により、負担がかなり軽減されたものでした。

2割特例とは?

2割特例は、インボイス制度を機に免税事業者からインボイス発行事業者となった事業者の方を対象に、消費税の納付税額を売上に係る消費税額の2割とすることができる特例です。
年間の売上が1,000万円以下の小規模事業者を対象としています。
令和5年分(登録日~12月)から令和8年分の申告まで適用可能です。

インボイスの消費税2割特例の事例

平均月収66万円(税込)の建設業の一人親方を例にしましょう。

これまでは消費税の納税無しでしたが、令和5年は3か月間が対象となり、66万円×3か月=198万円に対し、2割特例35,800円で済みました。
令和6年は66万×12か月=792万円に対し、2割特例143,900円となります。
2割特例のない令和9年になりますと、792万円に対し、簡易課税を適用しても287,900円となります。

消費税の課税判断の過程

消費税の課税判断は、その売上・収入及び仕入・経費について次の事項を見ていきます。
以下、 文中の[数字]は、TKCシステムの消費税課税区分を表ています。

①事業の区分

法人: 取引は基本的に事業活動とみなされます。
個人: 取引が個人的なものか、それとも事業として行われているかを判断します。

②取引の範囲

国内のみで行われる取引か、国外との取引かによって、消費税の適用が異なります。
消費税法は日本の法律ですから、国外なら考慮しなくてよいというわけではありません。
消費税計算に影響があります。
売上・収入であれば「(輸出)免税[2]」として処理する必要がありますし、仕入・経費であれば、税関で払った消費税[55]があることでしょう。

③ 非課税取引

保険金受取や補助金、寄付金など、対価性のない取引は消費税の対象外となります。
モノの売買やサービスの提供に対する見返りがない、いわゆる対価性のない取引は、消費税が「不課税[0]」となります

④ 非課税と課税

さらに、消費税がかからないという点では同じですが、課税の対象ではありながらも、消費税を課さないことにしている「非課税[3/8]」となるものもあります。

⑤ 課税取引

これらをかいくぐって(多くの取引はそうですが)、消費税が「課税[1/5・6・7]」となる取引となります。

⑥ 税率

ご存じのとおり税率には「軽減税率8%と標準税率10%」の区分があります。

⑦新規制 インボイス制度

新たに仕入・経費について「インボイスの有無[52・62・72]」という判定が加わりました。
「簡易課税」という計算方法は、売上・収入についてのみ上記区分を判定し、仕入・経費のについては判定せずとも消費税の計算ができ、そのため「簡易」といえるのです。