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相続税の土地評価を地目別に解説 ― 田・畑・山林・原野・私道の評価方法

相続税の土地評価を地目別に解説 ― 田・畑・山林・原野・私道の評価方法

日本の国土のうち、宅地が占める割合はわずか5%です。
残りの95%は森林・農地・原野・道路などが占めています。 親から相続する財産に田んぼや山林が含まれるケースは、決して珍しくありません。

宅地以外の土地の多くは「固定資産税評価額×倍率」で評価されます。
ただし、地目や所在地によって計算方法は変わります。

この記事では、相続税における土地評価の基本を地目ごとに解説します。

相続税の土地評価は「地目」ごとに方法が異なる

相続税での土地評価

相続税で土地を評価するとき、最初に確認するのが「地目(ちもく)」です。
地目とは、土地の利用区分のこと。
登記簿には23種類の地目が記載されますが、相続税の評価では9つに集約されます。

宅地・田・畑・山林・原野などは、登記と相続税で共通の区分です。
一方、登記簿上は個別の地目として扱われる用悪水路・墓地・公衆用道路などは、相続税では「雑種地」としてまとめて評価します。

評価の原則は「地目別」。 隣り合った土地であっても、田んぼと畑、自宅の敷地(宅地)と貸駐車場(雑種地)は別々の評価になります。

もう一つ押さえておきたいのが、土地と建物も別評価という点です。
一般的な売買では「土地建物一体でいくら」と考えるのが普通ですが、相続税ではそれぞれ分けて評価額を算出します。

相続税の土地評価は「地目を確認する」ところから始まります。

市街化区域にある農地・山林は「宅地並み」の評価になる

同じ農地や山林でも、市街化区域にある場合は宅地に準じた方法で評価されます。

市街化区域とは、都市計画法で「すでに市街地を形成している、または優先的に市街化を図る区域」と定められたエリアです。
将来的に宅地として利用される見込みが高いため、現在は田んぼや山林であっても、宅地としての価値を基準に評価されます。

郊外の市街化調整区域にある同じ地目の土地と比べると、評価額に大きな差が生じることも。
所有する土地がどちらの区域に該当するかは、市区町村の都市計画課やホームページで確認できます。

市街化調整区域の田・畑・山林・原野は「固定資産税評価額×倍率」で計算する

市街化調整区域にある田・畑・山林・原野は、「固定資産税評価額×相続税法で定める倍率」で評価額を算出します。
固定資産税の納税通知書に記載された評価額に、地域ごとの倍率を掛けるシンプルな計算方法です。

田と畑 ― 倍率はそれぞれ異なる

日本の農地のうち、水を張る田んぼが約55%、水を張らない畑が約45%です。
どちらも「固定資産税評価額×倍率」で評価しますが、田と畑では適用される倍率が異なります。

農用地区域に指定されている農地は、農地以外への転用が制限されているぶん、倍率は低く設定されています。

山林と原野 ― 評価額は低いが、立木は別途評価が必要

山林は国土の約3分の2を占める一方、草地である原野は1%弱。 いずれも「固定資産税評価額×倍率」で評価します。

固定資産税の単価がそもそも低いため、相続税の評価額も高額にはなりにくい地目です。
倍率も、山林と原野で同じケースが多く見られます。

ただし注意点が一つ。 ここでいう「山林」の評価は、木々が植わっている土地そのものが対象です。
土地の上に生えている樹木は「立木(りゅうぼく)」として別途評価されます。
山林を相続する場合は、土地と立木を分けて把握しておく必要があります。

固定資産税が非課税でも相続税では評価額が発生する土地がある

固定資産税がかからない土地でも、相続税の評価額がゼロになるとは限りません。
見落としやすい2つのケースを紹介します。

鉱泉地

温泉や鉱泉の湧出口にあたる土地は「鉱泉地」として、独自の方法で評価されます。
該当する土地を所有している場合は、専門家への確認をおすすめします。

公衆用道路(私道)

自宅前の私道が「公衆用道路」として登記され、固定資産税が非課税になっているケースがあります。
ここで注意したいのが、通り抜けできない行き止まりの私道。
このタイプの私道は、固定資産税では非課税であっても、相続税では評価額が発生します。

「固定資産税がかかっていない=相続税もゼロ」とは限らない。
この点は覚えておいてください。

まとめ

相続税における土地の評価は、地目ごとに方法が異なります。
宅地以外の土地は「固定資産税評価額×倍率」で評価されるケースが多いものの、市街化区域か調整区域かで評価方法が変わり、私道のように固定資産税では非課税でも相続税では評価額が発生する土地もあります。

まずは、所有する土地の地目と所在区域を確認すること。 それが相続対策の第一歩です。

宅地の評価や売却時の税金については、「相続前・相続後で土地売却の税金に違いはあるの?実際に計算して検証しました」もあわせてご覧ください。

所有する土地の地目や評価方法について、ご不明な点はありませんか?
鈴木尚剛税理士事務所では、相続に関するご相談を承っております。
お気軽にお問い合わせください。

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