相続税新聞

2020年8月号

相続時に貸付金・借入金がある場合、相続税や申告はどうなる?

貸付金と借入金がある時の相続税の申告

相続時の貸付金を回収する人、借入金を返済する人は?

いずれの場合も相続人が行います。
誰かにお金を貸していた人が亡くなった場合、相続した人がそのお金を回収することになりますので、この金銭の貸し付けは、 “貸付金”として亡くなった人の相続財産になり、相続税の負担を増やすことになります。
誰かからお金を借りていた人が亡くなった場合、相続した人がそのお金を返済することになりますので、この金銭の借り入れは、“借入金”として亡くなった人の相続財産から債務として控除され、相続税の負担を減らすことになります。

貸し借りが個人間で、相手が親族の場合

親族聞でお金の移動があって、それが貸し借りだという場合、借用書はありますでしょうか?
あるいは、返済履歴がありますでしょうか?家族だからといって、“催促なしのある時払い”では、「貸した」と主張しても、贈与ということにされかねませんので、ご注意ください。

貸し借りが個人間で、相手が他人の場合

他人との聞でお金の貸し借りがあった場合、借用書があって、または返済履歴があればよいのですが、いずれも無い場合には、お金の貸し借りの存在について、貸主借主の聞でトラブルとなりやすいことはもちろん、相続税申告においてどのように申告するか悩ましい問題となります。

例えば、亡くなった人が他人にお金を貸していたのに、「借りてない」とか「亡くなったらチャラにすると言われていた」とか「借りているけど、現金でも返しているので、もっと残高は少ない」などと言われたら、相続財産として貸付金をいくら計上したらよいのでしょうか?
一方、亡くなった人が他人からお金を借りていたのに借用書が無い場合、相続財産から債務として控除するのであれば、税務署に対し、借入の事実をいかに証明したらよいでしょうか?

貸し借りが法人に対するものの場合

貸し借りの相手が法人の場合、仮に借用書が無くても、通常、法人の帳簿に貸付・借入やその返済の記録がされますので、貸し借りの存在・金額が問題になることはないでしょう。
亡くなった人が法人から借入をしていた場合は、この帳簿の金額を借入金として債務控除すればよいでしょう。

一方、亡くなった人が法人へ貸付をしていた場合に悩ましいのが、貸付けているが、法人が債務超過の状態にあって、回収がまず見込めないという場合です。そうであっても、ほとんどのケースは貸付金を相続財産として計上せざるを得ないこととなります。
相続が起こってからではどうにもならないので、回収困難な貸付金は、相続が起こる前に、法人へその貸付金を贈与するとか、法人を清算するとかしたいところです。ただし、思わぬ税金がかかることもありますので、それぞれのケースごとに対応を図る必要があります。

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