事務所通信

2016年6月号

健康寿命

『平均寿命』といえば、「平均的に何歳までに寿命を迎えるか」ですが、『健康寿命』はご存知ですか?これはWHO(世界保健機構)が提唱した「健康上の問題で日常生活の制限のない期間」を言うそうです。日本人男性の平均寿命が80歳(2015)であるのに対し、健康寿命は71歳とのことです。これは、平均して71歳までは「自立した生活ができる期間」で、その後、平均寿命までの9年間は、「継続的な医療あるいは介護が必要な期間」となります。ですから、この期間の備えが必要となります。同様に、女性の平均寿命は86歳に対し、健康寿命は74歳だそうです。
 静岡県は温暖な気候のせいか、健康寿命は全国一長く、男性73歳(2013)、女性76歳だそうです。ちなみに、山梨県は長寿県の沖縄と並んで6位だそうです。なお、ワースト県とは3年弱の開きがあります。

傷病による保険金

 近年、がん保険や入院・手術などの医療系の保険、さらには介護に関する保険の需要が非常に高まっています。これらの保険金をもらった場合、本人が保険料を負担していたときは、「身体の障害に起因して支払いを受ける保険金」として、所得税は非課税となります。
 なお、これらの保険金を本人がもらう前に亡くなったときは、その亡くなった人の所得税が非課税になるのであって、相続人が受け取ったこれらの保険金は、相続税の課税対象になるので注意が必要です。
 なお、他人がこれらの保険料を負担していた場合、課税関係が異なってきますので、注意が必要です。
 また、これとは別に、事故などの被害者が、心身に加えられた損害について受ける治療費、慰謝料、賠償金、見舞金も非課税となります。 

相手先の実務に落とし込んで

 先日、「旅費規程作ったんだけど、確認して」との依頼を受けました。「社会通念上合理的な金額」と思われたので、給与として源泉所得税の対象とはならないという意味で「大丈夫」ですよ。と答えて終わりました。これでは十分な回答ではありません。このケースでは、お客様で伝票処理をしますので、勘定科目としては、一般的に福利厚生費が用いられることが多いこと、消費税がかかるものとして課税区分を経理する必要があることも伝える必要があります。
 また、従業員さんに「お年玉」をあげている会社に対して、「源泉所得税の対象になります。」と回答しました。これも十分ではありません。「お年玉」ですから、お給料と別に支払いますので、源泉所得税の対象とするためには、お客さんの給与計算の際に、総支給額にいったん含めてもらって、源泉徴収税額を算出してもらい、給与とは別に支払っているので、控除額に反映してもらう必要があることまで、案内する必要があります。
 質問に対する、直接的な回答のみではなく、取引について相手先で実際どのような処理が行われるかまで考えてご案内しなければなりません。

2016年5月号

 熊本の地震で、被害の中心的地域として益城町とありました。“ましきまち”と読みます。妻が熊本出身なのですが、熊本の“町”の自治体を“ちょう”と読むと「違うよ」と何度も訂正されたのを思い出しました。静岡県では基本“ちょう”ですよね。“まち”は森町(もりまち)だけですから。熊本県では、ほとんどが“まち”で、“ちょう”はわずかとのことでした。
 そんなことをインターネットで調べると、関信越ではすべて“まち”というところが何都県もあって、近畿四国中国などはすべて“ちょう”という府県がほどんどでした。“ちょう”が基本と思っていた自分にとっては、超驚きです。

代理受付

 今回の熊本地震に対し、被災地支援として、「ふるさと納税の代理受付」という制度があります。被災自治体では、役所機能がマヒし、被災者対応に追われています。寄付の受付まですると、更なる負担となってしまいます。これを支援するために他の自治体が代わりとなって、被災地への寄付を受け付け、被災自治体に届けます。また、支援自治体は寄付者が寄付金控除を受けられるように書類発送などをしてくれるようです。もちろんこの場合、お礼品はありません。オンラインからの寄付がほとんどのようで、1%程度の手数料が発生するようですが、支援自治体が負担するようです。
 被災自治体の状況が落ち着き次第終了します。被災地支援の今後の参考にしていただければと思います。

最高税率

 所得税・住民税においては、平成以後、平成10年まで最高税率は70%でした。もちろん、累進税率ですから、全体の7割を持って行かれるわけではないのですが、高額所得者にとってはかなりの負担感だったと思います。さすがに取り過ぎだろうということになって、改正により平成15年以後、最高税率は50%となっていました。
 しかしながら、昨今の税収不足などから、平成27年以後の最高税率は、所得税・住民税合わせて、55%とされ、増税になりました。さらに、高額所得者の給与所得控除額の減額も、課税対象額の増加になりますから、これまた増税です。また、富裕層の財産が海外転出して、有価証券の含み益の課税機会の喪失がないよう、国外財産調書の提出により、富裕層の財産状況を提出させ、課税強化を行っています。
 所得税率の高い会社役員さまなどには、会社への内部留保を提案しています。所得税・住民税率が高くなる場合、法人税等を支払っても、会社にではありますが、お金をより多く残せますので、法人税等の実効税率と比較して、内部留保をすることもご検討いただいております。

2016年4月号

タックスヘイブン

 パナマと言えば、真っ先に浮かぶのは「パナマ運河」ですが、現在、巷をにぎわしているのは「パナマ文書」です。パナマやケイマン諸島、英領ヴァージン諸島などカリブ海の小国に多いのですが、観光程度しか産業がないため、過度に税率を低くしたり、資産課税を非課税にするなどの優遇税制により、企業の進出・雇用創出を狙ったり、資産家の移住を積極的に促す方策をとっている国があります。こういった国を「タックスヘイブン(租税回避地)」と言います。
 タックス(tax:税金)ヘブン(heaven:天国)ではなく、ヘイブン(haven:避難所)です。ですが、お金持ちにとっては、やはり“タックスヘブン”なのかもしれません。

税の争奪戦

 ふるさと納税をすると、地場産品などをもらえ、かつ、上限額内であれば2,000円を超える部分の住民税等が減ります。一方、その人が住所を置く自治体から見ると、その分住民税収が減ることとなります。「税収を増やすため」にやっている自治体だけではなく、「取られた分を取り返すため」にやらざるを得ない自治体もあるかもしれません。さながら、自治体間での税の取り合いといったところでしょうか。
 国家においては、税の争奪戦は始まっております。日本における相次ぐ法人税減税がそうです。国際企業においては、課税コストを少しでも下げることは大切です。アップルがアイルランドに現地子会社を置く手法を上手く用いて、米国からの課税を逃れたとして問題視されているとして新聞をにぎわせていました。
 日本でも大会社の創業者の息子を海外に住まわせて、株式を贈与し、課税負担を不当に回避したのではということで、国税庁との裁判がありました。大企業や資産家は各国の税制の違いを利用して、いかに税金を減らすかということに知恵を絞っているようです。

追えば逃げるし、逃げれば追うし

もちろん、タックスヘイブンである国々に会社を設立したり、移住したり、資産を移したとしても、主権のある国々の税制の適用の受けているわけですから、即問題となるわけではありません。
 しかしながら、タックスヘイブンに設立された実体・活動のないペーパーカンパニーに利益を移されるとなると、話は別です。自国の「高い」税金から逃れられてしまうからです。ですから、租税回避が過度のものであれば看過できないのです。
 また、厳格な守秘義務のもとに不正取引や資産隠しが行われたり、テロリスト資金の流入やマネーロンダリングなどの犯罪の温床になりうる点も問題のようです。
 今回流出した「パナマ文書」で特に問題視されているのが、その利用者リストに、名だたる政治家や有名人、日本をはじめ世界の大企業の名前が上がっているからです。自分の国の先頭に立つリーダーが、その裏で、「節税」のために外国にせっせと財産を移していたとしたら、ついていく気が失せてしまいますね。

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