事務所通信

2015年6月号

マイナンバー(2)

 マイナンバーの根拠となる法律名は「番号法」といいます。1960年代後半の「国民総背番号制度」の頃から導入が幾たびか検討され、個人情報の観点から導入が見合されてきましたが、2007年の「消えた年金問題」を直接の契機として導入となりました。先月ご案内した通り、まず税・社会保障から導入されますが、平成33年以降、預金口座へのマイナンバー付番が義務化され、脱税・マネーロンダリングの防止、そして、社会保障制度における資力調査などに効率的に利用していくそうです。
 例えば、マイナンバー導入後は住宅ローン減税の添付書類の住民票の写しは不要になります

クレジットカード納付

 自動車税の納税をしなければと思い、納付書を見ますと、いろいろな納付方法があるようです。銀行はもちろん、コンビニ、ペイジー(ネットバンキング)に加えて、クレジットカードでも可能とのことです。ポイントがたまるのでクレジットカードにしようと思ったのですが、手数料が324円かかるとのことで、あきらめました。
 ところで、クレジットカードでの納付を調べてみますと「Yahoo公金支払い」というホームページから、税金や公共料金をクレジットカードで支払えるようで、住んでいる自治体毎にクレジットカードで納税が可能な税目が確認できました。残念ながら静岡県は、自動車税のみでした。また、県内の市町村では、焼津市のみが市県民税、固定資産税、軽自動車税、国民健康保険税の納税ができるようですが、手数料が2万円から1万円ごとに108円かかるとのことで、どの程度の利用があるか気になるところです。なお、NHKは手数料無しで支払いができます。

出国税金

 これは平成27年の税制改正にて所得税法において定められた「国外転出時課税制度」の通称です。この改正により、本年7月1日以後に国外転出する場合において、その者が1億円以上の有価証券等を所有している場合には、その有価証券等の含み益に所得税が課されることとなります。  例えば、有価証券に含み益があった場合において、日本に住んでいる間に売却すれば譲渡益に課税ができますが、国外に転出した後に売却すると、もう日本の税法が及びませんので、その譲渡益に課税する事が出来ません。近年、これが問題視されており、国内に居住していた間の含み益には課税させてもらうという趣旨のものです。
出国時の時価で譲渡があったものとみなしての制度ですので、いくつかの手当てがされています。
①出国から5年以内に課税された有価証券等を売らずに帰国した場合、帰国から4カ月以内であれば「更正の請求」という課税の取消しができます。
②納税資金が無い場合、納税管理人を定め、担保を提供し、毎年届出をすることで、納税の猶予が受けられます。
③国外転出時に利益に課税されたが、実際に売却した際は損失が生じた場合、4カ月以内であれば「更正の請求」により所得税を減額できます。
④出国時に日本で課税され、実際に売った時にその国で課税された場合、国によっては、二重課税の調整ができます。

2015年5月号

マイナンバー

 マイナンバーの記事を最近よく見かけるようになりました。外国人を含め住民票を持っている全個人に行政から通知される12桁の番号で、税金や社会保障などでまずは使っていくとのことです。一生変らず、一生使っていく番号で、この秋に住民票記載の住所に送られ、来年の1月から使用開始されます。年末調整や確定申告、社会保険の加入や年金の受給などなど様々な手続きに際し必要となり、勤務先や会計事務所、証券会社・保険会社など各所から、自分だけではなく扶養家族分を含めたマイナンバーの提示を求められることになります。
まだまだ分からないところもありますが、情報収集に努め、当事務所でも夏から秋にかけて主に経理担当者向けにマイナンバーの研修を開催したいと思います。

外れ馬券訴訟 最高裁

 “外れ馬券裁判”の最高裁判決が出されました。争点は、ハズレ馬券の購入代金は、必要経費となるか否かでした。アタリ馬券の払戻金から経費として引くことのできる馬券購入代金はアタリ馬券のものに限るとする国税庁に対し、納税者はハズレ馬券の購入代金も経費として引くことができると主張しており、地裁・高裁ともに納税者勝訴の判決を出しておりました。この度の最高裁の判断も納税者勝訴の判断がなされ、国税庁は取扱いの変更を余儀なくされました。 従来、競馬や競輪のような公営競技の投票券を購入して、払戻金を受け取った場合、一律に一時所得として、払戻金からはその的中した投票券の購入代金のみを引くことができました。
今回の判決では、大阪の会社員が、予想ソフトを使って馬券を「機械的・網羅的・大規模」に購入しており、「継続的行為」から生じたものであるとして、このような場合雑所得として、払戻金からハズレ馬券の購入代金も全て控除することができると判断されました。
なお、この大阪の会社員はソフトを使って、1億4000万円の利益でしたが、ソフトを使わずに5億7000万円の利益を出した北海道の公務員が同様の裁判をしているそうです。

お守りに消費税はかかるの?

 消費税が課されるか否かは、税法で定める「①国内において②事業者が事業として③対価を得て行う④資産の譲渡等」の4要件を満たすか否かで判断されます。このうち、③「対価」とは見返りとして金銭の受け渡しがあることをいいます。また、④「資産の譲渡等」にはサービスの提供が含まれます。例えば、車両を寄付した場合、④「資産の譲渡等」をしていますが、③「対価を得て」いませんので、4要件を満たさないため消費税はかかりません。
神社仏閣での支払いがあった場合、商売のための支出だから経費になるとして、消費税が課されているかいないか悩みませんか?例えば、商売繁盛のお守りを買った場合、お守りごとに値段は決まっていて、代金を払うとお守りというモノの引き渡しを受ける、つまり、通常の商品の購入となんら変わらないので、消費税はかかっている?あるいは、祈祷を受けた場合、初穂料の値段は決まっていて、祈祷というサービスの提供を受けているから、やはり消費税は課税?ところが一方、お布施の場合、お経をあげてもらっているからサービスの提供は受けているけど、金額は「お気持ちで」とか言われるので、寄付に近いから消費税はかからない?などなど。
 上記のような行為は、モノを買ったり、サービスの提供を受けているような感じもしますが、宗教活動に伴う実質的な「喜捨金」言い換えれば、寄付金と認識され、対価性が無いものとして消費税の課税の対象とはされておりません。お祈りした効果が必ず保証されるわけではありませんからね。でも記念の絵葉書を買うと消費税がかかりますから、難しいですね。

2015年4月号

在庫計上

 我々会計事務所業界では、研修に行って、税法などの情報の“仕入”を行います。この仕入れた情報は、使う機会まで大切に頭の片隅に置いておきますが、時には何年も寝かすことになります。仕入れた“モノ”は使わなければ、在庫として計上しますが、仕入れた“情報”は使わなくても在庫計上する必要はありません。まあ、計上のしようもありませんが。
 皆様の業界でも様々な研修があるかと思います。お金がかかることもあるかと思いますが、この研修参加というのは、一つの黒字決算対策であり、また、将来への投資ともいえるのではないでしょうか。

貯蔵品

 皆さんは決算において、未使用のインスタントコーヒーやお茶の在庫計上をしていますか?  結論から言いますと、そこまでする必要はありません。言うまでもありませんが、期末に残っている商品・製品・仕掛品等は、当然在庫に計上しなければなりません。しかしながら、「随時、一定量購入し、消費」する事務用消耗品、包装材料、広告宣伝用印刷物、見本品などは、在庫計上しなくても良いのです。
 もちろん、決算対策のつもりで、今までになかった高額の広告宣伝用印刷物を多量に作成しても、翌期に配布予定などの場合は「貯蔵品」勘定などで在庫計上しなければなりません。
また、少量であっても“金銭的価値”のあるものは、在庫計上しなければなりません。例えば、印紙、商品券、回数券、郵便切手などです。決算月やその前月ぐらいに多額の購入があった場合には、調査官も注目してきます。通常使う程度の切手だけが期末にあるなどの場合、調査において問題視されることは少ないと思いますが、ご注意ください。

ふるさと納税

 ふるさと納税については、実は平成21年7月の事務所通信で一度取り上げております。少し流行を先取りしすぎたようでその時は反応が無かったのですが、昨今、この話題がかなりマスコミに取り上げられておりますので再度ご案内します。ふるさと納税をした場合、基本的にはふるさと納税額のうち、2,000円を切り捨てた残りの額が所得税と住民税で控除されます。しかしながら、寄付をした自治体からかなり良い特産品等をもらえるので、2,000円の切り捨てをもってしても“お得”というのが皆様のご理解だと思います。どの自治体が良いかは、インターネットなどを参考にしていただくとしまして、本年は改正がありますので、2点ご案内します。
 この制度ですが、いくらでも税金が控除されるわけではなく、所得税・住民税に上限額があります。その内住民税の上限額が今回の税制改正により倍増することとなりました。例えば、給与が700万円(配偶者を扶養)の人の場合、今までは5万5千円の寄付までは2,000円の切り捨てで済みました。仮に6万円寄付しますと、上限額に引っかかり、5,450円の切り捨てとなってしまいました。この上限額が倍増ですから、このケースですと11万円までは2,000円の切り捨てで済む計算となります。このように上限額があることを念頭にふるさと納税したいただきたいと思います。
 もう一つ改正点は、今まではふるさと納税をした場合には確定申告が必要でしたが、今回の改正により、5自治体までのふるさと納税ですと、自治体間でその調整が行われるため、確定申告は不要ですみます。  総務省は豪華特典の自粛を要請したようですが、どうなるでしょうか?

バックナンバー
事業所情報

〒411-0816 静岡県三島市梅名203-1
TEL:055-984-4888
FAX:055-977-0234

TKCへのリンク